シャルドネ 2021
[シャルドネ]
全国的な栽培例の多さから、見落とされがちですが山形県はシャルドネの一大生産地です。じつは大変古くから、かみのやまで栽培されている品種です。
現在(2021.4)は合計で0.9㏊の畑を一文字短梢栽培で管理しています。礫の多い赤土が主体の植ノ山畑(0.5㏊)と粘土質が混ざる赤土の生居畑(0.4㏊)の2か所の畑から安定して収穫されます。
シャルドネには特徴的な風味がなくニュートラルであることから【風土を映し出す鏡】とまで言われます。【かみのやまの風土】を一番わかりやすく体感できるようなワインに仕上げています。
2021 レビュー
Technical data ・・・・・・・・・・・・・・
品種構成 |
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収穫日 | 2022年9/29-30、10/4-5、 | |
畑 | 植ノ山畑、生居畑 | |
アルコール度数 | 12.7%vol. | |
総酸度 | 4.9g/L | |
pH | 3.70 | |
樽比率 | 27%(新樽13.5%) | |
生産本数 | 1934本 | |
クロージャー | DIAM5 | |
瓶詰日 | 2022年5月28日 | |
発売開始日 |
2024年2月 |
Wine Story ・・・・・・・・・・・・・・・・
通算9年目のシャルドネ醸造は、贅沢な悩みをする事から始まりました。2021年に収穫されたシャルドネの全てが、例年なら上級キュベとして扱う品質とくればスタッフの高揚感は伝わるでしょうか。無数にある醸造の選択肢の中から選んだのは、風味がニュートラルな品種の個性を他で圧倒しないようにすること。熟度やプレスの圧力の違いで果汁を分けて醸造を行い、ブレンドで調整する事で突出した印象をマイルドにしています。
明るく照りのある黄緑色、トップの香りにはラフランスやバナナ、白桃の穏やかな階調。口中では大らかで円い酸味と風味の印象が素直に広がり、余韻はさっぱりとしてダレた印象を残しません。ウッディでは珍しい一歩引いて余白を残すようなワインです。
Technical Supplements ・・・・・・・・・・
21年のシャルドネの房数、房重量は少ない傾向にありました。また、8月中旬から9月前半まで雨と低温が断続的に続き、早期に収穫されるピノやソーヴィニヨンブランの様子からも厳しいVTになると覚悟しました。9月の平均気温は直近3年間で最低となる中、中旬以降は雨量が少なく快晴が続くことでシャルドネはVTの恩恵を最も受けた品種になりました。Brix糖度は最低でも21.5以上あり、酸度も比較的高い数値にありました。熟度は十分あることから全房プレスを行い、フリー区分とプレス区分にわけて果汁処理を変え、それぞれの酵母を使用して発酵をしています。キュベは4種類あり、最終的にブレンドしタンク内でMLFまで見守ったのちに亜硫酸を添加しています。20VTのようなフレッシュ感ではなく19VTに近い円熟した味わいです。